夢見る現実のファンタジー 2

2017.9.11 UP DATE

夢見る現実のファンタジー 2
いつもの様に何の変哲も無い僕の1日。
いつもの様に日常を終え、その日も夢ばかりが漠然と大きい僕は、
いつもの様に寝る前に頭の中で自分がヒーローになっているイメージをして1人夢を見ていた。
空想と僕の現実は天と地がひっくり返る程の違いがある、どうひっくり返っても、僕の人生にはヒーローの様になれる現実が来る事なんて有りもしなかった。
今日もウトウトと疲れ切って眠るいつもの夜だった。
その日はテレビを付けて寝てしまっていた。
何時間か深い眠りをしたのだろうか?目が覚めたのだ。
夜中!?だろうという時間帯、寝ぼけ眼に飛び込んできたのは、付けっ放しで寝たテレビの映像だった。
ネズミのヒーローと言う聞いた事もないタイトルの映画を2人の評論家らしき人が対談している様子が映っていた。
2人の評論家の会話を聞いていると、その映画は、ネズミがヒーローの映画らしかった。まぁタイトルがネズミのヒーローなんだから、そら当然だろう。
その映画の世界では一匹の下流階級のネズミがどんどん成り上がり、彼の成す事やる事全て上手く行き、世界中のネズミの世間から賞賛される程のネズミのヒーローになったと言う内容だった。
僕は純粋に憧れ混じりに凄いなぁ~と口ずさんでいた。
大まかに言えばこの映画のヒーローのネズミは、ネズミ世界の中でも一番階級の低いドブネズミという種族の出だった。そのヒーローになった一匹のドブネズミは、小さな頃から大きな野望があった。この世界のヒーローになる事!そしてドブネズミ界の希望になる事!だったのだ。
どこか自分に重ねて見てる様な気がしていたが、僕はそのネズミのヒーローの事をテレビの中で熱弁している2人の評論家をボーッと観ながらいつしか知らない間にまた眠りこけていた。
朝が来て起きた時、テレビは消えていた。ん?消したのかな?まぁいいや。
どうだったかあまり気にもならなかったが昨日の事はハッキリ覚えてたので普通に消して寝たのだろう。
テレビを付け、ボケーと朝のニュース番組を見ていた、今日の天気、運勢、ニュース、僕は昨日見たネズミのヒーローの事も、然程気になってる事もなくその日の1日を新たにスタートしようと顔を洗い、歯を磨き、仕事に行く為に家を出た。
当然の様な時間をその日も過ごし、当然の様に日が沈み、また夜が来る。これが僕の毎日。
家に帰ってスーパーで買ったお惣菜を広げて食事を摂った。その日も、何の変哲も無い時が刻々と過ぎて行った。
時間を見ると、もう1時だった。内容の濃い時間も、内容の薄い時間も平等に進んで行くのが人生だ。
そろそろ寝る時間だな。
僕の毎日は波風のたたない日の繰り返し、そんな現実だった。
やりたい事や、夢はあった。でも、その夢はいつもの様にイメージとして現実の僕の頭の中で映し出されるだけだった。僕は何も出来ない人間なんだろうか。。。
その日の夜もいつの間にか眠っていた。
何時頃だろうか?昨日の様に僕は夜中に目が覚めたら、またテレビが付けっ放しだった。
寝起きで頭の回転が追い付かず、とりあえずテレビを消す為にリモコンを手探りで探していた。その時だった、テレビの中の会話が聞こえてきた。僕の耳に飛び込んで来たその第一声がネズミのヒーローと言う言葉だった。

続く。

DRESS RECORDS / Increase – HIROM Jr.

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